プロローグ
そうだ、家を買おう
年の瀬も近づいてきたある日、ボニ(夫・会社員)が痺れを切らしたように言った。
「そろそろ僕も猫が飼いたい」
「も」が気になったが、私は常に疲れ気味なので最優先事項の問題点に向き合う。
「じゃあ、家を買わなくてはね」
社宅に住んで8年が経とうとしていた。
出会いからして週末も新婚旅行もテント泊か車中泊の我々にとっては、子供が生まれてからのこの8年の住まいは安住の地に近しい。
しかし、10年という期限付きの住まいということが次の住処への余念があった。
それがボニ、家長の一言によって稼働したプロジェクトについてここに記しておこうと思う。