突発性難聴
突然発症する
朝起きたら気がつく。 右耳の閉鎖感と反響音がいつもと違う。
なんとなく嫌な感じがしたので急ぎの仕事を片付け近場の耳鼻科に向かった。
幾つかのテストを行い、感音声難聴(突発性難聴)と診断を受ける。 正常な左耳に比べて右耳の低音箇所が深い谷のようなグラフになっている。 低音の聴力が著しく低下しているとのことだ。
点滴か飲み薬か選択を促されたが、ひとまず飲み薬で様子をみることにする。
- プレドニン錠
- アデホスコーワ顆粒
- メチコバール錠
- エソメプラゾールカプセル
トンネルの中
その日は朝から雨が降っていて肌寒く暖房をつけていたので、静かな雑音に右耳の違和感がなじんでいたが、それがなくなるとゴォーとこもった音に囲まれる。
右耳だけがトンネルの中に置き去りされている様な気持ちになる。
偏頭痛持ちで左側頭部から左耳周辺までの痛みが長らく続いていたため、右耳もそんな調子になるとますます気が滅入る。
2週間程前から不眠と食欲不振が続いていた。 上司がドクターストップによりひとまず2ヶ月間の休職となり、業務を引き継ぐこととなった。3人分ぐらいの仕事を回す様な人だったので、引き継ぐ量を改めて見直すと呆然とするしかなかった。
他に適役がいないので自分1人が引き継ぐ役回りなのは暗黙の了解とはいえ、あまりにも何のアナウンスもなく仕事が振られることが気持ちが悪い。
むしろ、「忙しくなるだろうけど頼むね!」とはっきり言われた方が「いやです」とか「無理です」とか一言唱える機会が得られただろうがそれすら許されない。
朝の会議が終わって事務所に戻る階段を降りながら、右後ろを歩く営業の人が何やら声をかけている気配がするがほぼ聞こえない。聞きたくないだけかもしれない。
今はトンネルの中に1人でいる方が好都合のようにも思える。
別に右耳くらい聞こえなくたっていいじゃない。たとえば誰かがお母さんの悪口を言っていたとしても聞かなくて済むんだから、大丈夫! こぐまちゃん(モフ族0 娘10歳)
経過1週間
1週間後の検査結果は改善の兆しがみられた。
聴力が前回より少し回復している。 投薬は継続で様子をみることとなった。
診断は突発性難聴だったが、低音のみとのこともあり急性低音障害型難聴と予想される。 突発性難聴は1度しかならないが、急性低音障害型難聴は繰り返し発症する可能性もあるとのことなので健康管理には十分注意をして生活したい。
投薬中はむくみがひどく、手足と顔がパンパンになった。体重も増加したが、ステロイドの副作用の効果の一つか、「多幸感」という記載があった。
何年かぶりにリラックスして眠りにつけたのはこの効果だろうか。
この1週間は心なしか時間がゆっくり進んでいる様に感じられた。
なんといっても幸いなことにモフ達の声は全て聞こえる。
たとえ再発してもきっと大丈夫!こぐまちゃんの声にも励まされる。
- 3人に1人は完治する
- 早い段階で適切な治療を受ければ改善する確率も高くなる
- 原因は不明だが、発症はストレス、睡眠不足、過労、不規則な生活が引き金となる
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